博士論文のトピックの選択は、その後の研究者としての将来を決めるのでとても重要です。では、どのようなことに注意してトピックを決めていけばよいでしょうか!?
論文トピックの及ぼす影響
博士論文は長い時間をかけて仕上げます。そしてその後の研究人生にずっと影響を及ぼします。
トピック選びが悪いと、長きに渡って犠牲を払うことになります。一方で、トピック選びが良いと、それは歓びの研究となります。長く続けるためには、本当に好きだということが大事です。例えば、嫌なことがあった日でさえも、執筆をしたくなるようなトピックを選ぶことが大事です。
トピックと論文の構想
トピックが決まってから論文の構想に向かう場合もあれば、漠然とした論文構想からトピックが絞られていく場合もあります。また、同じトピックを何度も何度もさまざまな形で書いている研究者もいます。
どっちが先でも良いですが、最初に漠然とした構想を持ってからトピックを決めるのが良いと個人的には思ってます。なぜならば、最初にトピックを決めてしまうと、そのトピックに縛られて論文の構想を練ることになるからです。
確かに博士論文のトピックの選択は重要です。なぜならその後の研究者としての将来を決めるからです。だからと言って、それを前提にトピックを決めるべきではありません。例えば、自分が本当にやりたいことがマイナーな研究だったとして、もっとメジャーな研究をした方がいいと勧められた場合には、どうしますか!?自分がやりたくもないことに、ずっと縛られることになります。
大学院に入る際、かつてお世話になったベテラン教授に電話で報告しました。その時、教授に言われて印象深かった言葉があります。「あなたもついにこの世界に入りましたか。今後は誰に何と言われようと、やり続けることです。」
その時は、ピンときませんでした。ただ単に言葉通りの意味に捉えていたから。でも、今ようやくわかります。本当に身に染みてわかります。誰になんと言われようと、やり続けることだということが。
トピックをどう決めるべきか
こればかりは、自分自身の好奇心と情熱に従うのが一番だと思います。例えば、私自身が興味を持っていることは、他の人には全然興味ないことかもしれません。しかし、論文執筆は長期に渡るプロジェクトなので、何よりも自分自身がそのトピックに深い興味と興奮を覚える内容でないと、継続していくのが大変になります。つまり、トピックとは長期にわたる特定の問題へのこだわりです。まずは、他人のことは考えずに、自分の学問的な喜びに忠実になることが大事だと思います。
トピックの決め方
好奇心と情熱が持てる特定の問題について自分自身で既にわかっていれば、トピック選びはさほど難しいことではありませんが、まだそれが見つかっていない場合はいろんな人の研究論文をたくさん読むといいです。他の研究者の論文を読む中で、どのような内容が最も興味深く感じて面白いと思うのかわかってくるからです。