Dr. Mutsuko Takahashi BLOG

ニューヨーク在住、英文学博士・個人投資家の高橋睦子【Mutsuko Takahashi】です。ブログへのご訪問ありがとうございます。

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論文指導教授との関係

論文執筆を進行する上で、指導教授と良好な関係を築くことは重要です。

 

 

指導教授のアドバイス

論文執筆の上でオーナーシップが重要だという話は別記事でしました。

こちらです↓

論文の読者の存在

 

オーナーシップを保ちながら、指導教授のアドバイスをどのように受け入れていくかというのは重要なポイントです。

 

指導教授のアドバイスをフレキシブルに受け入れることは大事ですが、もし教授のアドバイスが同意できない場合はどうしたらよいのでしょうか!?

 

こういった状況は本当に難しいですが、本当にどうしても同意できない場合は、たとえどんなに素晴らしいアイデアだったとしても、受け入れないことです。これは頑固になるという意味ではなく、オーナーシップとの関連性において、自分が同意できない内容を取り入れてしまうと、論文が自分の作品ではなくなってしまうからです。

 

同意できないことを受け入れたらどうなるか!?

指導教授との良好な関係が崩れることを恐れて、同意できないことまでアドバイスを受け入れてしまうとどうなるか!?私は嫌なことは一切受け入れませんので、このような状況になったことはないのですが、学生が陥りそうな問題なので、考えてみました。

 

正直に言えば、「もうこれ書いてさあおしまい」っていう関係だったら、それでも良いかもしれません。しかし、博士論文となると話は別だと思います。博士への道って長い長い道のりで、なぜそんなに長い間続けられるかというと、もちろんそれは自分の研究への情熱にほかなりません。同意できない内容を受け入れたら最後、それはもうつまらないものに成り下がると思います。また、博士論文は研究者としてのその後の人生にずっと影響します。そんな大事なことを、台無しにしてはいけない。博士論文が大事なのは、自分のためであり、他の人のためではありません。

 

コミュニケーションスキル

フィードバックに対する姿勢は、与える方も、それを受ける方も、コミュニケーションスキルが試される問題だと思います。

 

教授と学生の関係に限らず、ビジネスとか社会全般でコミュニケーションスキルが良好な関係を築くのに大事なのは言うまでもありません。フィードバックは、受ける側だけでなく、与える側にもコミュニケーションスキルが必要です。

 

与える側の配慮があれば、受ける側も真摯に受け止めることができます。感情的になるのは円滑なコミュニケーションを妨げますので、疑問に思ったら相手に理由を聞いてみると良いと思います。

 

執筆が進んでいなくても教授と会う

私は書くことが好きで、長文大好きだから、読む側は大変なことでしょう。そのため私はこの問題にほとんど悩まされたことはなく、特に大学院に入ってからは一度もありません。しかし、執筆が滞るという問題は多くの学生が経験することだと思います。

 

私が思うに、書けてないからといって、教授との面会をキャンセルするのは一番よくないです。書けてないというにはそれなりの理由があってのことなので、それこそ教授に相談してみましょう。教授はプロです。「書けない」ということにも詳しいです。

 

アメリカの大学院で私がWritingの授業を受けた教授は、「書けないこと」を専門的に研究する学者でした。なぜ書けないのか、肉体的な問題か、感情的な問題か、環境的な問題か。いつ起こったか、休憩したか、続行したか、休憩した前後では変化はあったか、等々。

 

他の教授は、書けないときは本文ではない部分、表紙とか参考文献リストとかのフォーマットを整えたり事務的なことをすると言ってました。本文以外の場所も絶対に整えなくてはいけない部分なので、本文は頭を使いますが、それ以外の場所は淡々とやる作業なので、このアイデアは良いと思います。

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