「夢」とは、無意識が意識的領域に侵入したために起こる現象であるということは、こちらの記事でお話しました。↓
フロイトの意識と無意識 - Mutsuko Takahashi BLOG
夢の作業については、こちらでお話しています。↓
フロイト:夢の作業 - Mutsuko Takahashi BLOG
この記事では、フロイトの夢理論に焦点を当てたいと思います。
身体的な刺激と夢
フロイトは、夢は身体的な刺激が引き金になって起こるが、ある種の睡眠障害に対する精神的反応であると考えています。この種の物理的な刺激は直接夢には現れません。例えば、あなたが夢の中で火災報知機が鳴っているのを聞いたが、それは実際には目覚まし時計だったというような場合です。そのため、フロイトは夢を下記のように考えています。
- 夢は肉体的な現象ではなく精神的なものである。
- 夢を見ている人は、夢が何を意味しているか本当は知っているが、自分では知らないと思っている。
夢解釈とは:顕在的内容から潜在的内容を探る試み
夢の意味は、夢を見た人がそれがどんな夢であったのかを語ることによって知ることができます。フロイトは、もともとの夢の原材料的な内容を「潜在的な」夢の概念と定義し、夢を見た人がその夢の意味を探ったことによって明かされた象徴的なメッセージを「顕在的な」夢の内容と定義しました。「顕在的内容」から「潜在的内容」を探る試みが、フロイトの「夢解釈」と呼ばれるものです。
夢の解釈をするにあたって、「顕在的内容」から「潜在的内容」へと意味を明らかにする過程で、夢の意味は歪められてしまうので、解釈が難しいとフロイトは考えています。
夢の潜在的内容と顕在的内容に関する詳細は、こちらの記事をご覧ください。↓
フロイト:夢の作業 - Mutsuko Takahashi BLOG
夢の目的
フロイトは、我々が「願望充足」をするという目的で夢を見ていることを発見しました。例えば、彼はイルマの注射の夢を見たことを論文で明かしているのですが、その夢はフロイト自身の「願望充足」の一例です。彼の患者であるイルマの治療がうまくいかなかったという責任から逃れたいと思っていたため、そのような夢を見たと自分自身で分析しています。