Dr. Mutsuko Takahashi BLOG

ニューヨーク在住、英文学博士・個人投資家の高橋睦子【Mutsuko Takahashi】です。ブログへのご訪問ありがとうございます。

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TOEFLのリーディング対策

リーディングセクションは、勤勉な日本の学生たちにとって、一番点数が獲得しやすい部分だと思います。TOFELの勉強は長期にわたってするものではないということはすでにお話しました。

 

それでは、どうしたら短期間で結果が出せるでしょうか!?

 

 

リーディングで大事なこと

最も大事なのは、もちろん単語力です。しかし大事なことは、リーディングの勉強の際に単語力を伸ばそうとしないということです。単語は単語でリーディングとは別に勉強する必要があります。なぜかというと、一度でもTOEFLを受けたことがある方ならわかると思いますが、とにかく時間が足りません。じっくり読んでいる時間はないのです。

 

TOEFL以外の勉強の場合は、英語の熟読をする際にはわからない単語ごとに止まって、前置詞や場合によったら句読点の置き方までも注意を払うことはありますが、TOEFLはとにかくスピードが大事です。

 

TOEFLのリーディングは、わからない単語があっても気にしないでどんどん読み進んで大意を理解することが優先されます。「あれ!?」って思って日本語の語順通り、後ろから逆戻りして読み返している時間はありません。じゃあ、いったいどうすれば良いのでしょうか!?大丈夫です。効果的な方法があります。

 

リーディングの練習のやり方

まずは土台作りです。TOEFLのリーディングにもってこいのテキストがありますが、とりあえず既にご自身で使いやすいテキストを持っているなら、それで構いません。テキストに関しては、後述します。

 

そのテキストに書かれている英文を、句ごとや文の切れ目にスラッシュ(/)で区切ってください。実際にペンで区切る部分を書きます。区切る部分の目安ですが、これ以上長くなると逆戻りしたくなる前のところで区切ってみてください。

 

一通りスラッシュで区切る作業が終わったら、テキストを読んでいきます。その際に、区切ったところの塊は、逆戻りしないで英語のまま理解するように努めます。もし、英語のまま理解するのが困難で逆戻りしたい衝動に駆られたら、それは区切った部分が長すぎたということになります。もっと短く区切ってみてください。

 

練習問題をやる段階になったら、止まらずにどんどん進んでいかなければなりませんが、塊ごとに英語のまま理解する訓練の段階では、時間をかけても良いので、必ず塊ごとに英語のまま理解できるようになるまではじっくりやってください。土台作りです。これを怠ると、スラスラ読むことなんて出来るようになりません。

 

一塊を理解できたら、次の一塊も英語のまま理解します。その連続で進んでいきます。この方法で、ひとつの記事が塊ごとに英語の語順で理解できるようになったら、次のステップです。

 

同じ記事をしつこくやる

早く次に進みたい気持ちはわかりますが、グッとこらえて飽きずに同じ記事を何度もやります。一塊を理解できていたのを二塊理解する努力をします。二塊理解できたら三塊という感じにして、最初から最後まで一度も逆戻りせずに脳内で和訳をせずに、英語のまま理解できるように、しつこく、しつこく、同じ記事をやり込めます。脳内和訳をせずに最後まで読めるようになったら、次の記事に進みます。

 

その際の目安ですが、まだ速読が出来るレベルじゃなくて大丈夫です。とりあえず脳内和訳しないで英語のまま理解できるようになれば、次の記事に進んでください。当然ですが、次の記事でも同じことをやります。

 

スラッシュで区切って塊ごとに英語のまま理解する訓練をしているうちに、二つの変化が起こってきます。まず一つ目は、だんだん区切る部分の範囲が広くなっていきます。つまりやればやるほど長い英文を英語の語順で理解できるようになってきているという証拠です。そして二つ目の変化は、スラッシュを実際にペンで書いていないのに、文の切れ目や意味の切れ目がまるで見えるかのように感じることが出来るようになります。

 

一冊やり終えたら!?

気持ちはわかります。達成感で別の一冊に行きたい気持ちでいっぱいですよね。でも、我慢してください。まだ速読の練習が出来ていませんよね。同じ本で、最初の記事に戻ってください。

 

もうすでに、その記事は英語のまま理解できるようになっているのだから、速読の練習は、ただ単に速度だけに集中して読む練習をひたすらするだけです。新しい記事に行かない理由はそれです。新しい本に手を出すと、また最初から作業をすることになり、速度に特化した練習ができません。

 

速読できるようになってきたらどうするのか!?

一冊の本を使って、速読ができるようになったら、今度は別の本でやってみます。普段の中では、ニューヨークタイムズの記事などで練習するのも良いです。しかし、最初の一冊だけは、TOEFL用にデザインされた本でやる必要があります。

 

また、英語の記事なら何でも良いわけではありません。英字新聞でもジャパンタイムズとかは、TOEFLリーディングの練習用には簡単すぎますので、英字新聞を読むならニューヨークタイムズの方が良いです。オンラインで読めます。その際に選ぶ記事ですが、経済の記事ではなく、生物学とか、科学、化学、自然、考古学など、いかにもTOEFLに出そうな記事を選ぶことに留意します。

 

この英字新聞を読むのは、TOEFLの勉強というよりは、TOEFL勉強中の普段の生活の一部という感じで取り入れてみることをおすすめします。なぜかというとTOEFLの勉強はあくまでもTOEFL用にデザインされた教材を使う方が効率が良いからです。

 

仕上げの勉強

仕上げの段階では、TOEFLの練習問題をやります。この段階でやる練習問題は、日本の教材ではなく、ETSから発行されているものか、Barron'sとかの世界中のTOEFL受験者が使っている教材を使います。そうです、あの電話帳くらいの厚さのやつです。

 

この段階に入る前に、この教材は軽く目を通しておく必要があります。なぜかというと、TOEFLでは実際にどんなトピックが出題されているのか、出題傾向がわかるからです。出題傾向がわかってくると、英字新聞を読む際にも、どの記事を選んで読めばよいのか勘が利くようになってきます。

 

最終仕上げ

ETSの模擬試験を受けてみましょう。確かTOEFL申込すると出来たような記憶があります。それか電話帳並みの練習問題に付いてきたような気がします。とにかく公式の模擬試験をやります。初めてTOEFLを受けるときには、この模擬試験は役に立ちます。試験の段取りがわかるからです。

 

リーディングのおすすめ教材

みなさんが試行錯誤をして無駄に教材をたくさん買ってしまわなくても済むように、私のおすすめを書いておきます。土台作りにおすすめなのは、『TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000』です。「ボキャブラリー」っていう名目ですけど、実はリーディングの練習に最適です。理由は後述します。まだ持ってました!これです。カバーついてませんけど。

 

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私は結構カバーは捨てちゃうんですよ。付いていると読みにくいし勉強しにくいですよね。本は汚くなると逆に愛着が湧いてしまいます。「ボキャブラリー」って書いてあるんですけど、当然ここに書いてあるボキャブラリーは必須なんですが、TOEFLボキャブラリーは2000語では足りません。そのため、単語はこの本だけでなく、むしろこれだけは持ってないと話にならないくらいのやつがありますので、別記事で紹介したいと思います。

 

TOEFL英単語の必須本の記事はこちらです↓

TOEFL必須英単語 - Mutsuko Takahashi BLOG

 

この「ボキャブラリー」がなぜリーディングに使えるのかというと、リーディングの勉強するのにちょうどよい長さの、TOEFLに特化したようなトピックの記事で構成されているからです。

 

「記事を読みながら単語を習得しよう」というのが、この本の本来の使い方なんですが、これは実はむしろリーディング練習に最適なんです。本来は単語本なので、単語をわざわざ調べる必要もないですし、記事の中に頻出の単語が含まれているからとても良いのです。私も使い古しました。

 

それと最終段階で使う、世界中のTOEFL学習者のみんなが使ってる電話帳みたいな教材は、ETS発行のものもありますし、Barron'sもあります。TOEFLってETSのテストだから、ETS発行のやつを選びがちですが、私は個人的にはBarron'sの方が好きです。でもこれに関しては好みの問題ですが、洋書を取り扱っている書店までいかないと実物は見れないかと思いますので、オンラインでご注文なさる際に迷うことがないように私の好みはBarron'sだったことをお知らせしておきます。

 

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